日本人と台湾人のハーフとして、今回の反日デモで個人的に感じたこと。
教科書問題に対して、抗議する中国人の方々の心境は理解できます。 ただ、それに対して本当に日本政府に教科書の内容をきちんと訂正してもらいたければ、もう少し別の方法があったのでは?と思います。
日本領事館をこのように破壊し、汚し、全く無関係の日本料理店を襲撃し、それで本当に問題解決になるのでしょうか? 私には、日頃の不満、嫉妬、鬱憤のはけ口にしか見えないのです。
もちろん反日デモに参加したのは一部の中国人であって、復旦大学の教授方をはじめ中国人の教養のある方々は、別の解決方法を考えられていると思います。
こんなことをして、諸外国及び国連の理解が得られるわけ無いです。 本来味方につけなくてはいけない諸外国から、逆に冷たい目でみられ、本来の目的から、遠ざかってしまったのではないでしょうか。
この教科書問題は、基本的にお互いの国益をめぐって対立した問題です。 国と国が存在する限り、国益をめぐって対立することなんて日常茶飯事です。
比較的両国間が良好な日本とアメリカだって、アメリカ産牛肉輸入問題で揉めています。 じゃあ、自分の国の要求が通らない度に、このような暴力的なデモを起こすのですか?と思います。
本当に中国という国のためであれば、もっと中国政府が強く日本政府に要求できるように、自分の国の国力を蓄えるよう、よりポジティブにそのエネルギーを使えばいいのでは?と思ってしまいます。
日本もかつて江戸末期に誤って調印してしまった不平等条約を取り消すために、まず諸外国と対等にネゴシエーションができるため「富国」政策を取り、不平等条約を撤廃した事例もあるじゃないですか。 (もちろんその後の戦争は大反対ですが。)
日本政府は、組織の存在目的として日本の国益を守るために存在しています。 (もちろん日本が過去中国に対して行った侵略行為は許しがたいもので、過ちであったことを大前提とした上で) 日本の国益を守ろうとした結果、現在の歴史の教科書の内容になってしまったのではないかと思われます。 個人的にはこの決定が、長期的に見て、本当に日本の国益にとって良いものかどうかは、懐疑的ですが。
私は、かつて日本の歴史を学校で学んだ際に、できるだけ事実を伝えようとする恩師に出会うことができました。 当時の文部省指定の教科書では事実を伝えきれないということで、先生は別途資料を用意して、教科書でカバーしきれていない部分の歴史を教えてくださいました。
事実は、やはり全て隠し通すことなんてできないのです。 時に現在はインターネットが存在し、一個人でもマス(大衆)に情報を伝達することができるのですから。
今でも覚えているのですが、歴史の教科書の最初の部分に、「過去の過ちを繰り返さないため」 歴史を学ぶと書かれていました。 本当にその目的だと言っているのであれば、「過去の過ち」の事実をきちんと教科書に反映しない場合は、教科書が説いている目的はいったいなんなんでしょう? ただ試験のために、教科書を丸暗記することを、求められているのでしょうか?
しかし、公的機関が認める書物で、歴史の全てを網羅すること事態もしかしたら無理があるのかもしれません。 なぜなら歴史書は、いつもその当時の政治的権力者に利用されるというネイチャーがあります。 そうでなければ、古事記や聖書みたいに現代科学では信じられないことが、歴史として残るはずがありません。
我々も歴史書を読む際に、書かれていることをそのまま鵜呑みにするのではなく、それが書かれた時の政治的な背景を加味して、読まなくてはならいことも、また事実だと思います。
かなり辛口&政治的なコメントになってしまいました。
あくまで一個人の独り言です。 あえて自分が感じたとおり正直に書いてみました。
異論反論あると思いますが、不快に思われた方はどうかご了承ください。