やっと重たい腰を上げて、黄山の旅のつづきを、書きたいと思います。


No.4  恥を捨てて、杖を買う私 (土曜日)

2日目、寝台列車で朝を迎え、到着予定時間よりも2時間遅れて、黄山駅に着きました。 


黄山には、2つロープウェーがあり、私たちは申し込んだ旅行社のバスが連れて行ってくれた雲谷ロープウェーで、あっという間に雲の上まで上がってしまいました。


降りるとすぐに、ポーターがやって来て、「荷物を運ぶよ。」 「籠に乗らないか?」と、熱心にセールストークを始めます。 もちろん、まだ全然登山を始めていない私たちは、元気いっぱいなので、全て断って、4元で買った地図を持って、黄山でも一番有名な「天都峰」まで行くことに。 


ロープウェーの駅から「天都峰」まで、約2時間ぐらいの急な階段の上り下りに、ついに私の膝がガクガクと笑い出してしまったのです。 その上、昨日の上海駅での全速力疾走でかなり呼吸器官がちょっぴり苦しい。


こっそりと、アミノバイタルの粉末をぐっと飲み込み、なんとか体力の回復を図ったのですが、もちろん階段は永遠と続き、ずぐまた膝が、笑い出してしまう。 これじゃ、みんなの足を引っ張ってしまう。 どうしよう・・・と悩んだ私は、恥を忍んで10元で、杖を買いました。 さっきまで通り過ぎた人で杖を使っているのって、中年の人ばかりなのに~(涙)


杖


それでやっとたどり着いた「天都峰」の登山口。 下から見上げると、山頂が見えない。 私にはこの魔法の杖があるから、大丈夫だ~と心に言い聞かせて登ったのもつかの間、すぐ息が上がってしまう。 あまりの急斜面なので、休み休みできるようなスペースも無い。


これからまたホテルまで長い道のりを歩く事を考えると、ここで無理して周りに迷惑をかけるよりかは、ここでしばらく休んでホテルまでの体力を温存することの方が、みんなに迷惑がかからないと思い、ギブアップ。 結局3分の1の地点から私とじぇいすけさんは登山口まで戻り、みんなが登って降りてくるのを待ったのでした。


「天都峰」の山道は、断崖絶壁やら、一人しか通れないような危険な山道だったみたいです。残念ながら、霧で周りの山々の景色は見えれなかったようですが、登った4人はとても達成感に包まれて満足気でした。 

天都峰1  (やすぽんさん撮影)


No.5  えっ・・・今日は野宿かも? (土曜日)


みんなが「天都峰」から降りてきて、じゃこれから今夜宿泊予定の北海賓館に行くためのルートを確認。 そこで衝撃な事実を突きつけられることに。 さっきロープウェーの駅から「天都峰」の登山口までの速度を計算し、ホテルまでの距離で割ったところ、5時間かかる事が判明。


ホテルに着くの夜の8時の予定!? まじっすか? 


もちろん、山中だから日が落ちたら真っ暗。 暗闇を今まで歩いてきた道を歩くのは、到底不可能。 

もし日が沈む6時前に、ホテルに辿り着くためには、今までの速度の2倍で移動しないと間に合わない。 この膝が笑っている私は、間に合わなかったら、一人で野宿かも・・・と一気に暗~いムードに。


とりあえず必死に歩き出した私たちの前に、さっきセールストークをしてきたポーターたちが! これは神の助けと思い、野宿をするくらいだったら、ここはお金で解決をしちゃえい!と思い、、荷物をホテルの手前の峰まで運んでもらうことに。 


ポーターは2人1ペアで、途中途中休憩を取りながら、交代で荷物を運んでくれました。 もちろん山道のガイドも兼ねているので、大助かり。 時にどのポイントで休憩をした方が良いか経験上知っているため、効率的に残りの4時間半余りの山道を乗り切ることができました。


日が落ちる20分くらい前には、約束していたホテルの手前の峰まで到着。 目の前には別のホテルもあったので、これで野宿は絶対に無いだろうと、心の底からホッとしたのでした。


しばらくすると、目の前で雲海の中に日が落ちていく絶景が広がり、すっかり急いでいたことも忘れて、みんな必死にカメラで写真を撮りました。
Sunset  (やすぽんさん撮影)


その後は、真っ暗になった道を持って来た懐中電灯で足元を照らしながら、なんとかホテルに到着できたのでした。 ラッキーなことに最後の峰は、丘のようになだらかな道だったので、荷物を背負っても大丈夫でした。


疲労困憊した我々は、無言で夕食を済ませ、足裏マッサージを頼み、明日の5時起床に備え、すぐに寝たのでした・・・、その予定が、夜中の3時まで大富豪で大盛り上がりをしてしまったのでした。 


危機一髪の旅は、Part 3へ、つづくのでした。